企業で求められるリーダーシップ、働き方とは?

イベント概要

2017年4月26日に初の大阪イベントとして「企業で求められるリーダーシップ、働き方とは?」をテーマに開催いたしました。

前半は応募者によるイントレプレナーピッチ大会。事業を立ち上げようと思った背景や想いをコメンテーター、参加者の前で披露していただきました。

後半は、コメンテーターでもある登壇者によるパネルディスカッション。企業内企業や新規事業立ち上げについてのご経験や、求められるリーダーシップについて本音で語っていただく素晴らしいセッションとなりました。以下、詳細をお伝えいたします。

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前半・社内起業家によるピッチ大会

〈再定義カフェ〉柴田 綾子さん「死のコンシェルジュ」

医療関係に従事する柴田さんがその立場から、自分らしい死をデザインするためのビジネスプランを発表。

〈サントリーホールディングス株式会社〉夏秋 裕子さん「経営女子塾」

企業内の女性管理職が少ないことに疑問を持ち、社内外で管理職を目指す女性を支援するためのビジネスプランを発表。

〈パナソニック株式会社〉大倉 さおりさん「Monstyle」

好きな服を好きなだけ着られる生活を提案する、パナソニック社が開発したあらたな家庭用クリーニング機の発表。

それぞれの発表に対し、コメンテーターのみなさまから優しくも熱いフィードバックが寄せられます。3名の方それぞれ内容も発表もすべて素晴らしく、運営スタッフも思わず身を乗り出して熱中して聴き入ってしまうほど素敵なピッチでした。

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そして今回、特別賞として「Microsoft 伊藤かつら賞」を受賞されたのは「死のコンシェルジュ」を発表してくれた柴田 綾子さんでした。おめでとうございます!

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後半・パネルディスカッション

「企業で求められるリーダーシップ、働き方とは?」

〈登壇者プロフィール〉

伊藤かつら様
 日本マイクロソフト株式会社
 執行役 デベロッパーエヴァンジェリズム統括本部長
大薮 範子様
 株式会社ワコール
 通販事業部 ウェブストア営業部 ウェブストア営業企画課 課長
粟生 万琴様
 株式会社パソナテック 取締役
 株式会社エクサインテリジェンス
 取締役COO
伊藤羊一様(ファシリテーター)
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア 学長
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伊藤羊一さん(以下、羊一さん):みなさん、新規事業や起業経験がお有りとお聞きしましたが、新しいをやればやるほど難しいと思うし周囲の反発があることもあると思うんですが、今までそれをどうやってクリアしてきましたか?

大藪さん:私の場合、社内の支持者をひとりずつ作っていくことをしました。地道にコツコツと、この事業に関わったらこんな得意なこともできるよ、と伝えていったりしましたね。

羊一さん:相手に敵だ!と思われてしまったときもあったかと思いますが、その時って、ハードルはどう乗り越えましたか?

大藪さん:割り切りですね。5年後には状況がひっくり返っていると信じて、あなたたちにもいいことがあるんだよ、と伝え続けていく粘り強さも大事だと想います。

伊藤かつらさん(以下、かつらさん):女性であることの優位性もあると思います。女性って最初から男性社会の中で異分子なんですね。異分子が変なことを言っても、最初から仲間じゃないから多少変なことを言っても許されるという環境を逆手にとることもできるんです。

粟生さん:もともと周りへは気遣いしてきた方なので、仲間づくりは割りとしやすかったかな。でも意外に横と斜め上下の人間関係が難しかったですね。なので積極的にコミュニケーションを撮るようにしてきました。協調していくことの大事さ。できることならお客様だけでなく社内や親会社、関連会社からも応援してもらいたいですよね。お客様にできていたことが実は社内ではできてなかった、という気づきを得た時にハッとしました。

かつらさん:だからこそ、絶対にこれはやるべきだ!と思ったときのパッションや信念って大事よね。言い切って実績をつくっていく。ただ情熱だけでもダメで、ちゃんと数値化してロジカルにも提案していくのが大事なんだけど、女性ってそこを面倒にしがちな傾向もあるのが残念だな、と感じてます。

羊一さん:かつらさんは既にポジションがあるわけですが、役職に就く前とかはどのように進めてきましたか?私、これは頑張った!というような事例があればお願いします。

かつらさん:そうですね。最初は日本でまだ当時あまりなかったようなイベント開催をしたりとにかく積極的に動いてましたね。ビールを並べてからイベントしたり。笑

なにより日本の女性は一生働くんだ、という信念を持っている人が少ないように思います。いまだにさっさと結婚して旦那に寄生していきていくんだ、という考えも多い。実はね、専業主婦ほどリスクが高いのよ。旦那さんが働けなくなったらどうする?今の世の中、そういう事例も増えてきてますよね。なので、私の場合若い頃からまず働き続けることが自分の目標にあった。根拠のないポジティブさも大事だし、それだけで出来が3割は違う。だんだん経験値がインフォースされていくようになるんです。そうして進めてきました。

羊一さん:なるほど。僕は実はもともとポジティブじゃなくてかなりの人見知りだったんですよね。

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かつらさん:えー!?笑 私も人見知りよ!特に海外にいくとアジア人としても、女性としてもマイノリティだったりします。しばらく時間が経つと” Leave me alone!”て気持ちになるからこれが自分の原点なのね、と回帰したりもします。

あとね、常に右肩上がりは絶対にないんですよ。キャリアップ、キャリアップというけど、キャリアをコントロールすることのほうが大事。有りたい自分にあわせて仕事や働き方を選ぶこと。うまくいく、いかないは時々であるけどボコボコがあるからこそ楽しい。実は凹んでいるときのほうが成長の機会だったりします。だから上しかない人は成長の機会も少ないし、凹んでもポジティブに戻れるんです。

大藪さん:私もかつらさんと同様で学生の頃から働き続けることは考えてました。昔は古い会社だと5年以内にやめてくれと入社のときに言われてましたね。お見合いの釣り書に書くんだろうと言われたことも。笑

粟生さん:私も働き続けることは考えていて、事業している父親に残念ながら女だから継承できないなと言われたこともあったんです。人生で常に課題が多かった。出産も難産で常に課題がやってくるし、次から次へとやってくるんです。でもね、乗り越えてでも、やりたいことしかやりたくない。ベンチャーもやりたいし事業の責任者もやりたいからこそ、覚悟を決めてやっている。人生プラマイゼロっていうじゃないですか。

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大藪さん:女性の方が逆境に強いんじゃないかしら。笑

羊一さん:逆境キターッみたいな?笑

粟生さん:頑張ったら乗り越えられないものはないだろう!みたいな。笑

かつらさん:最近ね、気づいたんだけど割りと多くの人が自分の恐怖がドライバーな人が多いのよ。失敗したらどうしよう、嫌われたらどうしよう、あの人が先に昇進したらどうしようなんて恐怖心を抱えてる。私自身も30歳くらいまでは割りと恐怖心があったんです。でも恐怖を克服するには正面から立ち向かうしかないんですよね。恐怖と向き合わないうちはそこから逃れられない。かといって、悪いところから向き合うと余計暗くなっちゃいますから、いまある状況を俯瞰してみて、恐怖でアワアワする前に自分の状況を理解するところから。その次に、なにができていないか向き合いましょうという話を面談でもやっています。

その方法ですが、私自身としては、意図的にやるんです。客観視するために幽体離脱する。最初は上から自分を眺めてみよう、と。視野が広がってきたら第2弾。山に登ったりヘリコプターで富士山の上に吊るしてみたり。そうすると生きるか死ぬかだから真剣に考えよう、と逃げなくなる。

羊一さん:おお、偶然ですね!僕も幽体離脱はよくやりますし周りにも言ってます。僕の場合、「私の履歴書」をするんですね。もう連載25回目だな、とか考えながら。「そのとき伊藤は悩んだ・・・そして次の瞬間、へたれて逃げた!」…となるとかっこ悪いからちゃんと向き合おう、なんて客観視して幽体離脱するようにしてますね。

ところで、先程かつらさんから面談の話がでましたが社内でチームメンバーを巻き込むために工夫していることってありますか?

かつらさん:コミュニケーションギャップに苦しんだ経験もあるので、いまは全員と話す時間は意識的につくっています。

大藪さん:私もやってます。あとはチームメンバーのスキルアップはすごく重要なので、想定したリスクを学んでいく機会を設けたり自己啓発のようなことも社内で開催してやっています。あとはとにかく喋りまくる!喋って喋って喋りまくることで、その相手のモチベーションだったり隠れていた感情や状況が読み取れてくることがあります。

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羊一さん:コミュニケーションは聞き手が決めるって忘れがちだけど大事なことですよね。いったとしても聞いたかわからないし、聞いたとしても理解しているかわからない。例え理解して賛成したとしても行動するかわからないですよね。

粟生さん:私の場合、特にそういう機会を設けてる訳ではないですが、スタートアップと大きな組織の両方に属しているからこその違いは感じます。二足のわらじですし、移動も多いので基本的にコミュニケーションはオンラインで取ることが多いのですが、ベンチャーの場合は話してすぐ行動すれば解決スピードも早いし個人の裁量権も大きい。組織だと他部署や人事などへのネゴも必要になってくるので、企業規模や文化の違いによるコミュニケーションの差は大きいですね。

羊一さん:ヤフーの場合、チームづくりでいうとコミュニケーションは量と考えていて、全マネージャーが全メンバーと1週間に1回30分以上の1 on 1をやっているんですよ。直属の部下が10人いるとそれだけでいっぱいになるんですけど、そのために組織自体も1on1できるような体制にしていってますね。

かつらさん:1on 1がビジネスレビューになってしまうこともありますよね。なので半分はそれでもいいけど残りの半分はキャリアや健康、仕事感、悩み、コーチングの時間にしないとうまくいかないと言っています。管理職経験が若いほど、成果レビューに寄ってしまいがちなので。

羊一さん:そうですね。1 on 1は上司のための時間ではなくメンバーのための時間ですから、メンバーのキャリアを考える、解き放たれる時間であるべきと思います。

大藪さん:結果にこだわりすぎる傾向もありますよね。結果を報告するのが怖い。そうなってしまいがちなのですが、結果はあくまでも結果。プロセスや準備も本当は大事ですが結果しかみない役職者も多い。ビジョンやミッションにこだわって、相手のバリューをみるようなコーチングを心がけてます。

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羊一さん:ご参加のみなさまもそれぞれの気付きが得られたかと思いますが、しつこくやり続けるってこと。これ大事ですね。コミュニケーションにしても事業にしても、重要とあらためて感じる中で、しつこさをキープするために自分自身で考えて行動していく。エンジンの燃やし方もそれぞれある。

そしてコミュニケーションはまず量です。直属のラインだけでなくて、斜めや横、いろんな人に対してのコミュニケーションですね。あと僕が感じたことは、みなさんお話してて本当にポジティブ。表情がポジティブですよね、この感じ。元からポジティブじゃない人もどうやったらいいかを自分自身で考えていくことの大切さ。

このイベントを通じて、みなさん自身の学びがあればぜひ糧としていただきたいです。

交流会

4月26日は伊藤かつらさんのお誕生日!交流会ではかつらさんの似顔絵ケーキを参加者のみなさまにも振る舞い、終了時間を大幅にオーバーして終了となりました。

ご参加いただいたみなさま、東京や名古屋、京都から駆けつけてくださった登壇者のみなさま、WITI初の大阪イベントにご来場いただき誠にありがとうございました!

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(文責:WITI Japan 運営メンバー)